スポーツと暗号技術は関連性のない2つの世界のように見えるかもしれません。
ですが、よく見るとお互いに提供できるものがたくさんあります。
・暗号市場とスポーツ界はとても相性がいい
・スポーツ界では仮想通貨やNFTで莫大なお金が動いている
これを読めば、世界では暗号技術ブロックチェーンがスポーツ界にどれだけ貢献しているかがわかります。
暗号市場がスポーツ界に与える影響
ブロックチェーン技術を使った暗号市場はスポーツ界にどれだけ密着しているのでしょうか?
アメリカンフットボール
2014年ビットコイン決済プロバイダーの「Bitpay」が「ESPN」と契約。

・アメリカのメディア・エンターテインメント企業大手
・ウォルト・ディズニー・カンパニー傘下のスポーツ専門チャンネル
「Bitpay」はカレッジフットボール「St.Petersburg Bowl」のスポンサーにもなりました。

この契約はマイナーではありますが、初の大型スポーツ契約として重要な節目となりました。
今年は「Grayscale Investments」と「New York Giants」が提携したことで、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)初の暗号市場におけるスポンサーチームとなりました。

NFLは2021年に暗号市場とのスポンサーシップトレンドが急上昇。現在、暗号市場との関連性がないスポーツリーグを見つけるのは難しくなっています。
バスケットボール
NBA(プロバスケットボールリーグ)の「Portland Trail Blazers」はここ最近、仮想通貨キャッシュバックアプリの「StormX」との提携を発表。

今年の初めには「Miami HEAT」が仮想通貨取引所の「FTX」と独占的な命名権契約を結び、ホームスタジアムを 『FTX Arena 』と改名しました。

この19年間に渡る契約は、1億3500万ドルという巨額の価値があります。
野球
これに続きFTXは、2021年6月23日にMLB(メジャーリーグベースボール)と5年間の契約を結びました。

これまでの暗号市場における最大のスポーツスポンサーシップが締結されたのです。
暗号市場へ積極的なスポーツ界
スポンサー関係者は、スポーツファンとの暗号サービスに大きな可能性を感じています。
仮想通貨×チケット
各スポーツチームは、仮想通貨でのチケット購入を許可し始めています。
MLBチームの「Oakland A’s」は、今年初めに1ビットコインでスイートルーム付きフルシーズンチケットを販売しました。

スポーツ・ビジネス・ジャーナリストの調査によるとMLBファンの平均年齢は57歳。スポーツ団体は若いファンを惹きつけるためにも、暗号関連のスポンサーシップを採用しています。
高額で取引されるNFTデジタルグッズ
ブロックチェーン技術はコレクター向けのNFTという形でスポーツファンにも価値をもたらしています。

NFTはノンファンジブル・トークンと呼ばれる資産の一種です。
クリエイターがデジタルアートやコレクターズアイテムなど、インターネット上のあらゆる種類の資産をトークン化することができます。
NFTはその背後にあるブロックチェーン技術により、所有権と希少性を証明できるため、コレクターズアイテム業界を底上げしています。
「NBA Top Shot」でNFTが38万7,600ドル
NBAはデジタル・コレクティブル・カード・プラットフォーム「NBA Top Shot」により、NFTの活用に最も成功した組織の一つとなっています。

FLOWブロックチェーン上に構築されたこのゲームでは、ユーザーはNBAのモーメント(瞬間)を売買し、デジタルウォレットに保管することができます。
このプラットフォームは2021年に大成功を収め、5月にはユーザー数が100万人を超えました。
大きな投資家をも惹きつけており、4月にはレアなレブロン・ジェームズのモーメントが38万7,600ドルで販売されました。
「Sorare」でNFTが29万ドル
ヨーロッパではサッカー界もNFTブームの恩恵を受けています。
ファンタジーサッカーゲーム「Sorare」は、レアル・マドリードやACミランなど、ヨーロッパの主要チームとのライセンス契約を結んでいます。
プレイヤーはマネージャーとしてサッカー選手のNFTでチームを作り、イーサリアム・ブロックチェーン上に配置。チームは現実での選手パフォーマンスに基づいてランク付けされます。

「Sorare」のNFTも「NBA Top Shots」ほどではありませんが、目を疑うような高額で取引されています。
3月にはクリスティアーノ・ロナウドの一点ものNFTが29万ドルで落札されました。
NFTと試合観戦チケット
スポーツ団体がNFTを利用するのは、デジタルグッズだけではありません。
チケットに付加価値を!
NBAチーム「Dallas Mavericks」のオーナーであるマーク・キューバン氏は、試合のチケットをNFTにすることを計画しています。そして3月には次のように述べています。

「我々は消費者であるファンがチケットを購入して転売できるだけでなく、我々がそのチケットでロイヤリティを稼ぎ続けることができる方法を見つけたいと思っています。」
キューバン氏はNFTを利用することで、需要の高いシーズンチケットを売りたいというファンに対応すると同時に、「Dallas Mavericks」がその販売から十分な利益も得ることができると期待しています。
NFTファントークン
スポーツチーム自体がブロックチェーンを採用するケースもあります。
Chiliz×ファントークン
スポーツ取引所である「Chiliz」は、スポーツチームにファントークンを作成する機能を提供しており、ファンは「Socios.com」でお気に入りの『チームの一部』を購入することができます。

ファン・トークンの所有者はクラブに影響を与える重要な決定事項に投票することができるほか、VIPリワードやプロモーション、その他ユニークな体験にアクセスすることができます。
欧州サッカーチーム×ファントークン
イタリアのサッカーチームである「ユベントスFC」は、2019年に初めてChilizプラットフォームでファン・トークンを製造しました。

それ以降、UEFAカップ優勝チームのFCバルセロナやパリ・サンジェルマンFCなど、複数のサッカーチームやesportsチームがファン・トークン・オファーを開催しています。
まとめ
現在、世界のスポーツスポンサーシップ市場は2027年までに900億ドル近くに達すると予想されています。
スポーツ業界が暗号通貨やブロックチェーン技術を取り入れることで、この数字は今後数年間で急激に上昇する可能性があるでしょう。
リファレンス:CryptoBriefing